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2016年5月16日

国際共同大学院に関する授業、実習や学生派遣が28年度10月からスタートします

東北大学大学院理学研究科博士課程前期1(現在2)有賀貴史

国際共同大学院に関する授業、実習や学生派遣が28年度からスタートする。バイロイト大学は主要な共同大学院の相手校である。将来的に交流の可能性のある大学院生として参加し、施設見学や研究に関する議論を行った。

スタッフと学生計8名でバイロイト大学を訪問した。宮島延吉博士とTEMによる微小結晶における元素配列についての予察的な分析を行った。結晶内で元素がどこにどのように存在しているかを理解することは、結晶内での元素の移動を扱っている私自身の研究にとって重要なテーマである。TEMを用いて元素の位置を正確に定められれば、その元素がどの程度移動しやすいかを正確に特定することが期待される。また、AudétatAndreas博士の案内で、LA-ICP-MSを見学した。結晶内の含有量の少ない元素はEPMAでは精度よく分析できない。LA-ICP-MSを用いることで低濃度の元素の測定が可能となり,また空間分解能にも優れるため結晶内の元素の移動に関して、より詳細な議論を進めることができるかもしれない。



GEOMAR の海底探査ローバーを囲んで

 

そのあと訪問したドイツ北部の軍港都市キールでは、バイロイト大学客員名誉教授であるHans-UlrichSchmincke氏と隅田まり氏の案内のもと、GEOMARと呼ばれるドイツの海洋開発の拠点となる施設を見学した。国際共同大学院では、カナリア諸島(ホットスポットの火山)を研究対象として扱う可能性があり、海洋島の火山体の海面下部分から試料を如何にして採取するのか、その最先端の技術を間近で拝見できたことは非常に有意義であった。また、両氏に対し、私がこれまで進めてきた富士火山・宝永噴火についての研究成果を紹介するとともに、噴火推移過程やメカニズムに関する議論を行った。特にSchmincke名誉教授は著書「火山学」の中でも富士火山について幾度も触れており、同氏の意見を伺うことが出来たのは、今後研究を発展させていくうえで大いに寄与することだろう。