2019年度 東北大学・国立台湾大学共同東北巡検
日程:令和元(2019)年10月5日(土)~10月12日(土)
行き先:宮城~山形~秋田~青森~岩手
2019年度は、本プログラムの連携先の一つである国立台湾大学(NTU)から20名の学生を迎え、東北大学と国立台湾大学の共同の東北巡検を行いました。
巡検の対象は、変動地形、地質(男鹿半島で1,500万年前の日本海の拡大時に形成された地層など)、 火山等、地球科学の広い範囲をカバーし、理学研究科地学専攻の井龍 康文 教授と国立台湾大学地質科学系のBruce Shyu 教授の引率の元、秋田エリアでは秋田大学の佐藤 時幸 特別教授、千代延 俊 准教授にもゲスト講師として加わっていただき、東北各地を巡りました。
感想レポート
GP-EESプログラム生 高橋直也さん(地学専攻D2)
*学年は2019年度時点
2019年10月5日〜12日にかけて国立台湾大学(以降「台湾大」と表記)との合同巡検に参加しました。この巡検は、台湾大のBruce Shyu教授と井龍先生の引率のもと、台湾大の学生と共に東北一帯の地質・地形を見てまわるものです。仙台周辺における地震とその対策から始まり、内陸部に南北に連なる盆地の構造、日本海の拡大、火山地形とその噴出物などはもちろん、その土地の歴史や芭蕉の俳句を織り交ぜながら非常に幅広い内容について学びました。学部生時代の巡検で訪れたことのある場所や、既に聞いたことのある話もありましたが、ある程度知識を身につけてから再訪すると新たに気付くことも多くありました。また、台湾大との合同ということもあっていつもとは違った視点で東北を見つめ直すことができ、今後の研究につながりそうなものを見つけられた気がします。
この巡検は、地質学以外にも学ぶことが多いものでした。例えば、Bruce教授の解説は非常に簡潔でわかりやすく、深く印象に残っています。どのように準備をしているのか気になり巡検後に訪ねてみたところ、自分が納得できるストーリーを作ってそれを伝えているだけなので、特別な準備は特にしていないとのことでした。巡検を振り返ってみると、地点ごとの説明に加えて、他の地点との関係性や東北地方全体での位置づけなど、より大きな文脈を常に意識して話が組み立てられており、一つの物語として話をまとめることがいかに重要か実感しました。
そして何より大きい収穫は、気軽に話せる友人が増えたことです。GP‐EESの学生になって以来、Bruce教授のグループと共に研究を進めてきたため、巡検に参加した台湾大の学生にも多く友人がいました。今回の巡検で、彼らと四六時中同じ時間を過ごしたことで、さらに友情が深まり、以前にも増して楽しい留学生活が送れるようになっています。また、台湾大の他の学生や東北大の学生とも交流が深められたことも非常に嬉しく思います。座学の授業と違って何日も行動を共にするため、話のきっかけになる出来事はどこにでも転がっています。このような機会はあまり多くありませんが、GP-EESが時折開催するイベントは、友人を増やすスキルを身につけるには絶好の機会です。今回の巡検を企画してくださった方々に感謝しつつ、次回のチャンスに期待して日々の研究に励もうと思います。