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海外研修報告

Study Report
  1. 原田 浩伸(地学専攻:D2)The Pennsylvania State University, USA

    1回目:2022/6/19  – 2022/7/3
    2回目:2022/11/4 – 2023/1/9
    3回目:2023/6/15 – 2023/8/5

    私は、アメリカ合衆国のペンシルベニア州立大学(Penn State)にVisiting Scholarとして滞在して、研究を進めています。滞在中は受け入れ教員のMaureen Feineman先生と議論を進めつつ、プレート収束域に特徴的に産する高圧変成岩の地球化学的解析を行なっています。2022年夏の短期滞在の際には、フィラデルフィアまで巡検に行き、日本ではあまり見られない大陸衝突帯を特徴付ける変成岩を観察しました。道中で見られる地形や露頭も併せて、日本とは異なるテクトニクス場にある大陸であることを実感できる機会でした。私は夏と冬にペンシルベニア州立大学に滞在しましたが、夏は長期休業で学生がほとんどおらずキャンパス全体が非常に静かなのに対し、授業期間中の冬は学生が多く賑やかで、対照的なキャンパスの雰囲気を味わうことができました。セミナー形式の授業に何度か参加させていただく機会もあり、分野に関わらず学生が積極的に質問・議論していた様子が印象的で刺激を受けました。

    ペンシルベニア州立大学のあるステートカレッジは大学を中心とした非常に小さな街です。治安も非常に良く、日本人の学生が留学する上では安心して研究活動に集中できる環境だと思います。ステートカレッジの街中ではあちこちでPenn Stateのロゴが見られ(民家や自動車にも)、Penn Stateシャツやパーカーを身につけた人を学生以外でも多く見かけるなど、住民の方々から愛されている大学であることを感じられました。ペンシルベニア州立大学への滞在で、海外の文化や生活を体感し、海外の大学での研究活動を経験することができました。支援していただいた国際共同大学院プログラムに感謝いたします。

  2. Erick Ricardo Velasco Reyes(地学専攻:D3)University of Michigan, USA

    2023/4/1 – 2023/8

    As part of my GP-EES program’s overseas training, Prof. Jeremy Bricker from the University of Michigan is co-supervising my doctoral research on simulating post-tsunami long-term morphological recovery using the Delft3D-FM hydridynamic model. Prof. Bricker’s lab focuses on hydraulic and hydrodynamic research, including projects related to hydraulic energy generation, hydrodynamic hazard risks, and risk reduction measures. The lab’s resources, including a large flume for simulating steady flows and waves, complement my research supervised by Prof. Daisuke Sugawara.
    The University of Michigan, located in Ann Arbor, is a medium-sized city with a population of about 120,000, 40% of whom are students. The local economy revolves around university activities, and the city is known for its beautiful and safe environment. Nearby Detroit offers attractions like the General Motors headquarters and the Ford Museum, which houses historical replicas, including Thomas Edison’s office and laboratory.
    I also attended the Coastal Sediments 23 conference in New Orleans, where I took a short course on the SFINCS model (Super-Fast INundation of CoastS), a compound flood modeling software with impressive speed, potentially useful for early warning systems and probabilistic modeling. Presenting my research’s early results and interacting with coastal scientists from diverse backgrounds was an enriching experience.
    Studying abroad is an invaluable opportunity for postgraduate students to broaden their perspectives, learn different approaches, and develop tolerance for diversity. As a Colombian living in Japan and studying in the USA, I can attest to the benefits of embracing different ways of understanding. Programs like GP-EES not only benefit students but also contribute to the advancement of science by fostering collaboration and nurturing breakthrough ideas.

  3. 田上 綾香(地球物理学専攻:D3)Victoria University Wellington, New Zealand

    1回目:2023/1/27 – 2023/4/26
    2回目:2023/7(予定)

    ニュージーランドヴィクトリア大学ウェリントンにて、Visiting Scholarとして在籍しています。ニュージーランドは日本と同様に沈み込み帯が位置し、地震活動や火山活動が確認されている地域です。そのため、日本とニュージーランドを対象に内陸地震に関して研究、また結果の比較を目的としています。
    そんなニュージーランドは緯度に関しても日本と類似しています(ウェリントンが南緯41度で青森県と同じくらい)。しかし、生態系は全く異なり、植生や在来種の存在から、南半球がかつて一つのゴンドワナ大陸であったことを感じることができました。
    また、羊が人間より多いと言われているニュージーランドはその言葉の通りで、郊外に行くと異様なほどどこまでも牧草地が広がっています。GNS Scienceの地震観測点の回収作業に参加した際に、多くの牧地を訪れることができ、食料自給率が高いことに納得しました。
    大学では丘の上にあるKelburn campasの4階の部屋で研究をしています。部屋からはウェリントンCBDとウェリントン湾を見下ろすことができ、一休みするときによく眺めています。
    ニュージーランドではこれまでに3つの学会に参加しました。ニュージーランドの学会では、朝のセッション後にmorning tea、午前のセッション後にlunch、午後のセッション後にafternoon teaと会場で3回の食事の提供があります。食べ物やコーヒーを片手に他大の教授や国外の大学の学生、研究機関の職員と話したり、研究について議論したりといった機会があり、日本では経験したことがないため大変新鮮でした。

  4. 中村 勇貴(地球物理学専攻:D3)LATMOS, Sorbonne Université, Paris, France

    2021/12/1 – 2022/12/18

    私は東北大学とソルボンヌ大学間のダブルディグリー協定のもと、両大学の博士課程に在籍しています。2021年12月から博士課程最後の1年間、惑星大気研究の一大拠点であるソルボンヌ大学LATMOSで研究を行うためにパリに滞在しました。LATMOSでは太陽高エネルギー粒子が火星大気に与える影響について、独自開発のシミュレーションコードを用いて研究をしました。パリという立地の良さを活かし、滞在中にウィーン、パリ、アテネなどで開催された複数の国際会議に参加しました。国際会議で新しくできた人脈は、後にベルギー王立宇宙航空研究所・リエージュ大学への訪問や複数の共同研究に繋がり、私の博士研究においてとても良い経験となりました。指導教員のFrançois Leblanc博士からは、研究計画を発案し、遂行し、論文として成果を公表する一連の流れの全ての工程をいかに論理的に成し遂げるかを学び、私の研究における礎となりました。
    パリといえば美と食で、美しい街並みや絵画、レストランを堪能しました。パリにはたくさんの美術館がありますが、特にオルセー美術館、オランジュリー美術館、マルモッタン・モネ美術館には、モネやルノワールなどフランスにゆかりのある印象派画家の作品が多数貯蔵されており、何度も訪れて鑑賞しました。週末に美味しいフレンチを食べることをモチベーションに、最後の3ヶ月間は博士論文の執筆を頑張ることができました。
    パリでは英語が通じないことや、事務手続きの手違いが多々あり、言葉や文化の違いにより苦労もしました。しかし指導教員やLATMOSの同僚、日本人の友人にいつも優しく助けていただき、無事乗り越えることができました。元々私は臆病な性格でしたが、留学を通して多数の困難を自力で乗り越えることで、どこへ行ってもなんとかやっていけるという自信が身につきました。長期にわたってパリに留学する機会を与えてくださり、本当にありがとうございました。

  5. Asteria Satyaning Handayani(地学専攻:D3)The Pennsylvania State University, USA

    1回目:2022/11/01 – 2022/12/21
    2回目:2023/01/13 – 2023/4

    From November 2022 until April 2023, I am a visiting scholar at the Department of Landscape Architecture, The Pennsylvania State University (Penn State), State College, Pennsylvania, USA. During my stay, I work under the supervision of Dr. Travis Flohr on formulating a way to translate my scientific result into applicable planning language for decision-makers. Specifically, since I have studied how urban land use affects torrential rainfall using the land use regression technique with Dr. Yuzuru Isoda at Tohoku University, I then needed to communicate the outcomes in an understandable manner for policymakers and general public. For that purpose, I must quickly adapt to new study fields such as ecological planning, urban design, and science communication. I was encouraged to dive deep into literature study, historically and culturally, and learn to criticize existing planning and communicating science theories, which are not always applicable in real-life cases. It was challenging at first and made me reflect on my Ph.D. journey. Fortunately, my weekly discussion with Dr. Flohr helped me clarify new terms, solidify my research, and keep it on track. My learning curve steeply increased there, and I have become confident that the multidisciplinary research I worked on can make an important contribution to society.
    State College is a small and friendly town surrounded by farmlands and forests. It is a multicultural and safe environment to live and work in. Most socio-economic life in this town revolves around the University’s activities, particularly related to sports. Penn State is located at the heart of the town, a big campus with beautiful old buildings and sceneries. I arrived there when the autumn was almost over and was thrilled to watch many wild squirrels jumping around here and there to find nuts in the campus’ yards, preparing for winter. The stay has also become enjoyable since I gained new good friends from different parts of the world at our department and beyond.
    I am very fortunate to obtain this precious opportunity provided by GP-EES. The visit has exposed me to different cultures and ways of doing things, which allowed me to continuously reframe my perspective, open my mind to possibilities, invest in knowledge, and grow more understanding. My gratitude goes to GP-EES and Tohoku University.

  6. 三部文香(地球物理学専攻:D2)IPRC, University of Hawaii

    1回目:2022/6/14 – 2022/8/1
    2回目:2022/8/16 – 2023/1

    私は2022年6月から、ハワイ大学マノア校のInternational Pacific Research Center (IPRC)に滞在して研究を進めております。滞在中はVisiting studentとして、ハワイ大の教授3名と議論を重ねつつ解析を進めたり、定期的に開催されるセミナーへ参加したりしております。1対1でない、かつ英語での議論は当初非常に大変でしたが、何度も議論を重ねていく中で次第に有益な意見交換ができるようになり、自分の力が着実についていることを感じております。
    ハワイ大学マノア校はオアフ島のホノルルに位置しており、いわゆるワイキキビーチまでもバス一本で行くことができます。休日は様々なショッピングセンターで買い物を楽しんだり、美味しい食べ物に舌鼓を打ったり、バスで少し遠出をしたりもしています。また、IPRCでポスドクをされているGP-EES卒業生の高橋さんや、以前私と同様にハワイ大へ滞在していた安間君やAdi君とトレッキングなどを楽しんだりもしました。
    また、10月にはベルギーのブリュッセルで開催された、7th Argo Science Workshopにも参加しました。現地開催される海外の学会に参加するのは初めてでしたが、海外特有の非常にアットホームな空気の中、様々な方とお話することができ、とても良い経験となりました。短い滞在でしたが、美しいヨーロッパ建築が並ぶ街並みを楽しむこともできました。
    私は2023年1月に日本へ帰国する予定です。現在この報告を書いている時点で残り1か月を切ってしまいました。当初不安だった長期滞在も、過ぎてしまうとあっという間と感じております。ここからの1か月で、現在進めている研究を一区切りつけられるよう頑張りつつ、ハワイでやり残したことがないように有意義に過ごしたいです。

  7. 吉田 一貴(環境科学研究科 先進社会環境学専攻:D2)Utrecht University, the Netherlands

    1回目:2022/2/1 – 2022/4/30
    2回目:2022/11 – 2022/12

    私は2022年2月からの3カ月と,2022年11月からの1カ月間,オランダのユトレヒトに滞在しました.ユトレヒトは,ミッフィーの生みの親であるDick Brunaの故郷として知られています.私がお世話になったユトレヒト大学は,今から約400年前の1636年に設立された歴史ある大学で,オランダでも最大規模の大学です.大学には数多くの分析装置が整備され,地球科学分野をリードする多くの研究成果が得られています.
    私はX線CTを用いた岩石組織の三次元構造観察や,TEMを用いた微細構造観察などを行いました.11月には,ユトレヒト大学と東北大学の合同ワークショップが開かれ,私も自分の研究内容を発表しました.毎週行われる研究室のセミナーにも参加し,現地の研究者・学生の研究の姿勢を肌で感じました.教授よりも,学生が主導的に生き生きと質問・議論している様子は,日本ではあまり見ない光景で衝撃を受けました.ユトレヒトには24時間営業のコンビニなどはなく,飲食店を除くほとんどのお店が20:00には閉まります.日本とは異なる不便さを感じつつも,個人や家族との時間を大切にするヨーロッパの文化を感じました.
    オランダはゴッホやフェルメールなど,著名な画家の生まれた国でもあり,オランダの美術館に多くの作品が所蔵されています.大きな美術館には,日本語のオーディオガイドもあり,美術に疎い私でも非常に楽しむことができました.また,4月にはチューリップが見ごろを迎えており,キューケンコフ公園では一面のチューリップ畑を楽しむことができました.オランダでの滞在において,研究はもちろんのこと,オランダの文化や習慣,自然に触れることができ,自分の考え方の視野も広がった気がします.国際共同大学院プログラムの関係者の皆様には感謝しています.

  8. 吉田 奈央(地球物理学専攻:D3)Royal Belgian Institute for Space Aeronomy (BIRA-IASB)

    2022/6/10 – 2022/9/29

    2021年10月~12月、2022年6月~9月の計約7ヶ月間、ベルギーはブリュッセルの王立宇宙航空研究所にルーヴァン・カトリック大学の交換留学生として滞在しました。研究所ではESAの火星周回衛星Trace Gas Orbiterの観測データを使って、火星大気中のCO分布を解析していました。長期滞在のメリットは時に数時間に及ぶ議論を何回も繰り返すことができることです。一人の研究者、そして火星観測チームの一員として活動できたことは、自分にとって自信になりました。
    また滞在していた研究所は国際性の豊かなところでした。14カ国にも及ぶ国から勉強や仕事のため来ているそうです。彼らから色々な考え方、色々な選択肢があり、そのどれを取っても人生には価値があると教えてもらいました。一方で一緒に旅行に行って同じものに感動を覚えたり、同じような悩みを持っていることを知ると、結局みんなどこか似ているとも気づかされました。いま、彼らは私の学位取得を応援してくれていて、海外でお互いを励ましあえるような友人に出会えたことを嬉しく思います。彼らのおかげで、ささいな日常でも刺激を感じることができると知りました。きっと日本に帰ったらこれまでよりもいろんなことに興味を持てると思います。

  9. Hanani Adiwira(地球物理学専攻:D2)IPRC, University of Hawaii

    2022/03/05 – 2022/09/05

    I spent six months in Honolulu, Hawaii, as a part of the GP-EES program. I was a visiting student at the University of Hawaii at Manoa and studied at the International Pacific Research Center (IPRC). I had a wonderful time during my stay. I had fruitful discussions with the professors and got to experience many beautiful scenic views in Hawaii! I had a meeting with the professors every two weeks and they were super helpful, they gave a lot of suggestions that really helped me to expand my research topic. During the six months, the professors encouraged me to try new methods, explore research topics I hadn’t done before, and not be afraid to make mistakes. They told me PhD is the time to explore things, and it was precious advice for me. I was happy that I was given the freedom to work on my research, but with close supervision so that I could have tangible research progress.

    I was lucky that my stay period was at the same time as the other GP-EES students, Sambe-san and Amma-san, and also Takahashi-san, an alumnus of the GP-EES program who works at the University of Hawaii. We talked a lot, ate lunch at the campus, discussed our research progress, and even went to many sightseeing areas! I had the chance to climb mountains, go to the beaches, and visit famous tourist spots. The foods were also amazing, especially the seafood. I was also able to try many favorite Hawaiian desserts.

    I’m grateful to the GP-EES program for the opportunity to study in Hawaii. It was a truly memorable experience.

  10. 天野香菜(地学専攻:D3)IPAG, Grenoble, France

    2022/04/24 – 2022/07/15

    わたしは2022年4月末から7月半ばまでの約3か月間、フランスのグルノーブル・アルプ大学で研修を行いました。2年前の冬に短期滞在して以来、コロナ禍に見舞われなかなか渡航できずにいたため、グルノーブルにたどり着いて街を取り囲む山々と再会したときの嬉しさはひとしおでした。受け入れ機関であるグルノーブル惑星学・天体物理学研究所(IPAG)では隕石試料・小惑星回収試料などの有機化学的組成に着目した実験・分析を行い、それらの結果について議論を行いました。
    IPAGには大学院生やポスドクが多く在籍し、数週間単位で入れ代わり立ち代わり留学生がやってくるようなオープンかつ国際的な環境でした。お互いの境遇に共感して励ましあったり、逆に日本の学生にはあまりないような考えやヨーロッパの大学院のルールに驚かされたり、廊下や実験室での立ち話が新しい知見の共有につながったり、刺激的な毎日を過ごすことができました。滞在中は研究室のメンバーと昼食を囲む機会や近隣都市のリヨンに出張して分析を行う機会にも恵まれました。ものごとがうまくいかなくて落ち込んだときは受け入れ先の先生の”C’est la vie. (人生そんなものだ)”という言葉に何度も救われ、気持ちを切り替えて問題に対処することが重要だと学びました。国際共同大学院プログラムやIPAGをはじめとする多くの方々のおかげで、博士課程のうちにこのような貴重な留学経験を得ることができ、心から感謝しています。

  11. 石川歩(地球物理学専攻:D3)University of Florence, Italy

    1回目:2019/10/29 – 2020/03/14
    2回目:2021/10/03 – 2022/10

    私は東北大学とのダブルディグリー協定の下, フィレンツェ大学地球科学専攻博士コースに在籍しています. 世界有数の活火山であるストロンボリ火山をフィールドに, 火山噴火の物理過程を明らかにすることを目的として, 地下でのマグマ輸送により生じる地盤変動に着目した研究を行っています. 最近は, 同僚の研究者や技術者と共同で, 地震計を傾斜計として利用し突発的噴火の警報に活用するシステムの開発に取り組んでいます. 普段研究室ではいつも誰かが大声で議論していてとてもにぎやかな雰囲気です. お昼ご飯は大学近くの店にサンドイッチや中華料理を食べに行くか, 家でパスタを作って持って行くことが多いです. 休憩時間にエスプレッソを片手に集まって談笑することが息抜きです. 滞在中, ヴルカノ島とエトナ山に火山観測に行く機会にも恵まれ, 楽しい経験をしています. 2020年2月にはエトナ山の麓カターニアで行われたイタリア火山学会に参加しました. スイーツやエスプレッソ, ランチビュッフェが用意され, 日本の学会に比べると非常にリラックスした雰囲気で活発な議論ができました. 週末はサッカーを見たり, イタリア各地の郷土料理を勉強して作ったりして過ごしています. 電車で近くの街に日帰りで遊びに行くこともあります. 海外では研究でも日常生活でも文化や言語の違いなどで苦労することが多いですが, 新しい発見が多く刺激的な日々を過ごすことができています.

  12. 王童 (地球物理学専攻:D1)IPRC, University of Hawaii

    2019/09/15 – 2019/12/18

    I visited the University of Hawaii from September 15 to December 18.

    During my first week in Honolulu, I participated in an international conference, OceanObs’19. I made a poster presentation throughout the poster sessions, introduced water mass anomalies in the North Pacific based on observational data. By talking with researchers from different countries and answering their questions, I received many useful recommendations and new perspectives on my current research.

    After the conference, I started my study life in International Pacific Research Center (IPRC), located in the University of Hawaii at Manoa campus. I was studying under the instructions of three professors, Professor Bo Qiu, Professor Kelvin Richards, and Professor Niklas Schneider. They are very kind that they help me not only on my study but also on my life. Whatever questions I asked during the discussions, they always answered with patience.

    My aim there was to optimize my master thesis about evolutions of water mass anomalies, as well as to extend new methods to explain the causes and propagations of water mass anomalies, including quantifying the impacts of different processes through anomaly budget equation and using modeling outputs to calculate. I will continue the research after I come back to Sendai and make them parts of my PhD dissertation.

    Besides the research, I also experienced cultural activities in Hawaii. The closing banquet of OceanObs’19 was a traditional Hawaiian party, Luau, where we enjoyed Hawaiian style dances, performances and fireworks. At Thanksgiving Day, other researchers in the university invited me to join a Thanksgiving Dinner with a big group, and I learned the spirits of sharing and giving in American culture.

    I would appreciate GP-EES for giving me such a precious opportunity to study abroad.

  13. Theodorus Permana (地球物理学専攻:D3)ISTerre, Grenoble, France

    2019/10 – 2020/03

    From October 2019 to March 2020, thanks to the Jointly Supervised Degree program of GP-EES, I had an excellent opportunity to perform my doctoral research at the Institut des Sciences de la Terre (ISTerre) in Université Grenoble Alpes, Grenoble, France. My research is about the method for location determination of volcanic tremor using the correlation of seismic data. It became more exciting when I realized that I will be supervised by Prof. Nikolai Shapiro, whose studies and publication on volcanic seismicity have inspired my research since my Master program at Tohoku University. I had great progress and results under his supervision and suggestion to use a well-maintained computer cluster and months of continuous seismic data. At the same time, I am also experiencing different research atmosphere. Other researchers at ISTerre are also well-known for their research in seismology, and their studies have inspired me ever since I was doing my undergraduate thesis.

    Staying in Grenoble is a wonderful experience. Grenoble city is a very old city located at the edge of the European Alps mountain range. It declared itself as “the Capital of the Alps”. If you walk around the center of the city, you can enjoy its historical landmarks and buildings with the Alps in the background. It is also popular for winter sports. Snow rarely falls in the city, but the surrounding mountains are a heaven for ski lovers.

    Description of the photos: (top left) Me in front of ISTerre building. (top bottom) Grenoble from above with its famous ropeway “Les Bulles”. (top right) Snowy peak of Charmant Som, one of the peaks around Grenoble. (bottom right) Old buildings in Grenoble.

  14. 澤燦道(地学専攻:D1)Bayerisches Geoinstitut, Bayreuth, Germany

    2019/09/17 – 2019/10/25

    9月17日~10月25日の1ヶ月少々、私はドイツのミュンスターとバイロイトに滞在しました。ミュンスターではGeomünsterという地質学会と鉱物学会を合わせたようなドイツの国内学会に参加し、口頭発表を行いました。バイロイトではバイエルン地球科学研究所(BGI)に滞在し、宮島延吉博士のもとでTEM(透過電子顕微鏡)による岩石組織分析を行いました。東北大学での岩石変形実験で得られたサンプルから数十nmというとても小さな鉱物を発見することができ、博士研究をより一歩すすめることができました。加えてBGIの学生とともにドイツ・ネルトリンゲンを訪問し、隕石衝突によって形成された地形や地質構造を見学しました。隕石衝突によって破砕された岩石や構造は日本ではまず見ることができないので、非常に貴重な体験となりました。

    ドイツは皆さんご存知の通りビールが有名です。各都市に小さなビール醸造所がいくつもあり、地ビールを楽しむことができます。バイロイトも人口7万人ほどの小さな都市ですが、醸造所がいくつもあります。週末には外にでかけて地ビールの飲み歩きをしました。BGIでは毎週木曜日にThirsty Thursdayと銘打ってみんなでビールを飲む会をしています。先生おすすめの地ビールを飲んで、多国籍な研究所の人(実はドイツ人はあまりいない)と交流しました。非常に刺激的で有意義な生活を送ることができました。支援していただいた国際共同大学院プログラムに感謝いたします。

  15. 高橋実樹(地学専攻 : D1)Korea Polar Research Institute, Inchon, Korea

    2019/08/13 – 2019/09/19

    813日から919日の約一か月間、韓国の仁川にある韓国極地研究所(KOPRI)に滞在しました。KOPRIでは、Changkun博士らと私の研究対象である始原隕石中の暗色包有物の鉱物学的な研究を行いました。KOPRIは南極で隕石の採取を行っており、そこで採取された隕石中にある暗色包有物は、太陽系初期の物質進化に関する情報を持っています。その暗色包有物に関するこれまでの私の研究成果や、今後の新たな研究についての議論を行いました。

    KOPRIは首都のソウルから地下鉄で2時間程度で、現在も開発が続けられている海沿いの埋立地にあります。周りには高い建物や大きな公園(写真)が多数あり、週末は自転車で公園を散策したり、海沿いのカフェでコーヒーを飲んで過ごしました。平日の昼食は研究所の人たちと食堂に行き、キムチやポッサム、サムギョプサル、チャジャンミョンなどの韓国料理を楽しみました。また、韓国は日本よりもキャッシュレス決済が進んでおり、どんなに小さなお店でも現金を使用する機会がほとんどなかったことが印象的でした。今回の約一か月の海外生活は、研究はもちろん、韓国の生活を満喫する素晴らしい機会となりました。旅費を支援していただいた国際共同大学院プログラムに心から感謝いたします。

  16. 高橋直也(地球物理学専攻 : D3)UCSD Scripps Institute of Oceanography, San Diego

    2019/07/23 – 2019/07/26

    7月23日から26日までカリフォルニア州サンディエゴにあるカリフォルニア大学サンディエゴ校スクリプス海洋研究所を訪問しました.訪問の目的は,Joel Norris教授(左上写真)・Shang-Ping Xie教授と,「下層雲・大気・海洋の相互作用」についての研究結果を議論することでした.Norris教授は下層雲(低い高度に出現する雲),Xie教授は大気海洋相互作用の各研究分野を牽引する世界的にとても有名な研究者です.自分の研究についてだけでなく,先生方の最新の研究結果についても議論することができ,とても充実した時間となりました.その他にも,研究所内のセミナーで研究紹介をしたり,個別で他の研究者の方々とお話をする機会があったり,密度の濃い1週間を過ごせたと思います.特にNorris教授とは,ほぼ毎日議論に付き合っていただき,新たな研究のアイデアを得ることもできたので,スクリプスに来て本当によかったなと思いました.

    スクリプス海洋研究所は,サンディエゴのラホヤというリゾート地にあります.海岸線沿いに建物は位置し,部屋はオーシャンビューで,右下写真のような美しい景色をいつでも眺めることができる場所です.サンディエゴの生活・文化を理解するため,日中の議論の合間や朝・夜の時間などに研究所近くにあるラホヤビーチやサンディエゴ市街地を散策しました.またXie教授や現地にいる日本人研究者たちとランチに行き,サンディエゴの美しい街並みだけでなく,様々な文化が入り混じった食文化(イタリア料理やメキシコ料理など)も満喫しました.とても刺激的で有意義な1週間を過ごすことができたのも,滞在に関する旅費を支援していただいたGP-EESプログラムのおかげです.心から感謝いたします.

  17. 高橋 菜緒子 (地学専攻: D1) EGU 2019, Vienna, Austria

    2019/04/07 – 2019/04/12

    4月7日から12日までオーストリアの首都ウィーンで開催された欧州地球科学連合(The European Geosciences Union: EGU)の2019年大会に初めて参加してきました。今年度の参加者は16,000人以上に及び、どのセッションも活気づいていたことが強く印象に残っています。私は、岩石-水相互作用に関するセッションにおいて、ひすい輝石岩から解析した沈み込み帯流体を媒介する元素の移動・分別に関する研究のポスター発表をしました。著名な研究者との議論を通じて、自身の研究についての批判的な意見や新しい視点を得られたことは非常に大きな成果でした。また、口頭発表のセッションでは、世界の最新の実験技術・研究テーマの動向に直接触れたことで、今後どのような独創性を持って自身の研究を行なっていくべきかを真摯に考えさせられる6日間となりました。

    学会に参加する傍ら、ウィーンの街中にも足を運びました。ウィーンにある多くの観光地は市内から地下鉄で行ける距離にあり、EGU参加費に含まれた公共交通機関の乗り放題パスを最大限に活用しました。また、カフェ文化の発達したオーストリアには素敵なカフェがたくさんあります。日本のカジュアルなカフェとは異なり、ウィーンのカフェは店内が豪華で、蝶ネクタイにスーツのウェイターが出迎えてくれました。また、日本ではカウンターで注文することが多いですが、ウィーンでは注文とお会計はテーブルで行い、会計時にはチップも必要となります。このような日本とは異なる点に初めは戸惑いましたが、日本のカフェより少し優雅な気分を感じることができました。今回の学会参加は、研究面に加え、海外の文化・食事を楽しめる貴重な機会となりました。旅費を支援していただいた国際共同大学院プログラムに心から感謝いたします。

  18. Huang Yongsheng (地学専攻: D3) AGU 2018 Fall Meeting, Washington, D.C.

    2018/12/10 – 2018/12/15

    In 2018, I went to Washington D.C. to attend the fall meeting of 2018 AGU from 10 to 15 Dec. I was shocked by such large scale of meeting covering all research fields of geoscience. The countless scientists who come from all around the world get together and share the research results. I made a poster presentation and got the many useful feedbacks. I have to admit that it was a well-organized and hug-scale meeting. We could directly communicate with top scientists face to face and get the important suggestions and direction. More than 5,000 poster positions in a huge space create a strong academic atmosphere. You can feel the collision of thoughts at each poster position. It was a great chance to practice how to introduce my research for others logically. At the same time, it was the best opportunity to know what the top and hot research topics are. I have learned a lot from this meeting. Moreover, Washington D.C. is a very special city. It has lots of famous museums and central institutions of US even though it is not so big. After meeting, we visited the White House, Capitol Hill and museums. What the most interesting was that we coincidentally got to the FBI building which is just often watched in the movies. In short, this was an amazing experience of meeting. I enjoyed it very much. Here, I want to appreciate my professor and GP-EES program. Thanks a lot for supporting me to attend this meeting.

  19. M Riza Iskandar (地球物理学専攻: D1) IPRC, University of Hawaii

    2018/09/03 – 2018/11/26

    I have stayed at the International Pacific Research Center (IPRC) since September 2018 for three months. I am here to get the Ph.D. guidance from the IPRC staff. Thanks to GP-EES for this joint supervisor program.
    IPRC is one of famous research center concerning about the ocean and its relationship to climate, especially in the Asia-Pacific region. My research theme since the master course is about Indonesian throughflow and its water masses. I continued and expand this theme in this Ph.D. research. One of the interesting oceanographic topics in the Indonesian region is the mixing process, because of its unique topography, as well as its relations to large-scale processes between the Pacific and the Indian Ocean. In IPRC, I had the opportunity to learn new things and also discussing with Kelvin Richard and Yanli Jia, the ocean mixing and modeling expertise. They are very kind and always help me to build the plan and solve the problems. This makes me more interested in doing research.

    The IPRC is located on Oahu island, one of the Hawaiian islands where Honolulu is located. Each location here has its own charms, stretching from the green of the mountainous region to the blue of the surrounding sea covered with the tropical island atmosphere. Very beautiful and relaxing!
    (This picture was taken with Kelvin Richards from the Makapu’u lighthouse trails. With the background of Makapu’u beach and rabbit island in eastern side)

  20. 吉崎 昂(地学専攻:D1)The 81st Annual Meeting of the Meteoritical Society, Moscow, Russia

    2018/07/21 – 2018/07/29

    国際隕石学会 (The Annual Meeting of the Meteoritical Society: MetSoc) は,世界中の隕石学者が一堂に会する,宇宙化学分野最大級の学会です。今年のMetSocは,W杯閉幕から僅か1週間,興奮冷めやらないロシア・モスクワで開催されました。そこで私は,太陽系誕生直後のガス円盤内における塵の熱履歴や輸送過程を,木星形成時期と関連付けて考察した研究成果を発表しました。本学会でも,近年注目を集めている太陽系内の物質攪拌と天体形成時期に関して活発な議論が行われており,自らの研究がもたらし得る示唆や,今後取り組むべき課題を新たに見出すことができました。

    ロードスイーパーが走り回るヨーロッパ最大の都市モスクワは清潔かつ美しく,また町中に張り巡らされた地下鉄の運行間隔は1分以下ととても便利で,寝不足になりながらも朝から晩まで街歩きを楽しみました。さらに特筆すべきは食事のおいしさで,お腹がいっぱいでも食べるのをやめられないという不思議な経験ができました。学会の中休みの日には,寝台列車や新幹線を利用し北の都サンクトペテルブルクに(ほぼ)日帰り旅行するなど,全力でロシア文化の理解に努めました。この有意義な学会参加の支援をしてくださったGP-EESプログラムとthe Barringer Crater Companyに心から感謝します。

  21. 杉村 俊輔(地球物理学専攻:D2)Department of Earth Sciences, University of Florence, Italy

    2017/11/20 – 2018/11/19

    私は、GP-EESダブルディグリープログラムにより、昨年の11月から1年間、イタリア国フィレンツェ大学に滞在しております。
    私の研究対象であるストロンボリ火山はイタリア地中海に位置する火山島であり、数分から数十分に1回の頻度でマグマやガスを火口周辺に噴き上げる小爆発的噴火を繰り返す活発な火山です。その火道内の爆発源や噴火機構の解明を目指し、ストロンボリ火山研究の世界的第一人者であるMaurizio Ripepe教授の研究グループのもとで研究を進めています。そこでは、研究の議論を深めたりスタッフの皆さんからアドバイスをいただいたりすることができています。研究室の皆さんには本当に優しくしていただいて、研究に関する質問以外にも日常生活のことやイタリア語などを教えてくださり、そのおかげで楽しくイタリア生活を送ることができています。
    フィレンツェの中心部は、「フィレンツェ歴史地区」としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。主に15世紀から16世紀にかけてルネサンスの中心として繁栄した都市であり、それらに関わる芸術を見ることができるほか、数多くの歴史的、芸術的建物が保存されています。大学のキャンパスはこの地区の端にあるので、日常的にこれらの文化に触れることができます。このような素晴らしい環境で研究生活を送れることへの感謝の気持ちを忘れず、残り数か月頑張っていきたいと思います。
    (写真はミケランジェロ広場から撮ったものです。)

  22. 高橋 直也(地学専攻:D1)PATA days 2018, Possidi, Greece

    2018/06/22 – 2018/07/01

    PATA days 2018 は古地震学や地震地質学の研究者が中心の学会で,今年は巡検,ワークショップ(3日間),サマースクール,巡検の日程で行われました.全体の参加者が100人程度と,小規模であったため,いろいろな人とコミュニケーションが取りやすく,論文や教科書で目にしていた研究者と直に議論ができるというのは夢のような時間でした.特に,有名な教科書の著者から,君の研究は大事だから頑張って続けなさいと言ってもらったことは,今学会での最大の収穫かもしれません.自分の発表が最終日の最後という順番だったので当初はすごく緊張していましたが,友人が増えていくにつれて緊張も和らぎ,無事終えることができました.イタリアの友人からの勧めでビールを飲んで臨んだことが功を奏したと思っています.学会後のサマースクールでは,最新の研究状況はもちろん,地震ハザードの評価手法や研究成果を正確に社会に伝えていくために必要なスキルについて学びました.普段あまり触れない話ばかりでしたが,いずれも自分の研究に関わる可能性があるもので,貪欲に知識を広げることの重要性を再認識しました.
    初めての国際学会でしたが,著名な研究者との議論や新しい友人たちと過ごした時間は研究へのモチベーションを信じられないぐらい高めてくれました.来年はイスラエルで開催予定ですが,それに向けて研究に励んでいきたいと思います.